男女の友情は成立するのか

彼女は昔から女友達ができなかったらしい。それこそ、まだ幼稚園に通っているような年の頃からそれは始まっていた。幼いころから非常に可愛らしい顔立ちをしており、温和な家庭で大事に大切に育てられた彼女だが、どうにもこうにも同性とは仲良くなれなかった。遊ぶのはいつも男の子とばかり。男の子はみんな、とても彼女と仲良くしてくれた。だから女の子の友達がいなくても彼女は平気だったのだ。もちろんそんな状態では余計に女の子たちとの溝は深まっていく。

子どもの頃ならそれでもまだ特に問題はなかった。しかし大人になったら深刻な問題だった。ずっと同性の友達がいなかったのだから、女の子同士で恋バナをしたこともなければ、性の悩みや同性同士で思春期特有の他愛もない話をしたこともない。あげくに彼女の友達は男の子ばかりなのだから、彼女にとってはそれが当たり前のことであるのだが、年頃の女の子がいつも男の子と一緒にいるというのは、ますます同性の目を厳しくさせる。

やっかみ・嫉妬・妬み・ひがみ。女子のドロドロとした感情がぶつかる標的になるのは、仕方のないことだが残酷だった。

私が彼女に会ったのは、彼女がちょうど二十歳を迎えた頃だった。彼女の第一印象は凄く可愛い子。私も本当に、美しい女性だと思った。何も知らない私が声をかけると彼女は、こちらが驚いてしまう程びっくりした顔をしたのを今でも覚えている。その頃の彼女は異性ともあまり関わり合うことがなく、本格的に一人ぼっちだった。それも仕方ないことだろう。彼女がいつも男性に望むのは友情だ。だが大人の男が、誰もが振り向く美しすぎる彼女と純粋な友情など築けるだろうか?答えはNO。つまりそういうことなのだ。

彼女は最初、私に対して警戒心がむき出しだったので、気になった私はその理由を知りたくて彼女にアプローチを仕掛けて行った。自分の名誉のために言うのだが、男としてではなく人としての興味だった。確かに彼女の魅力にはクラクラするし、セックスの対象にならないわけがない。しかし、やがて気を許してくれた彼女の話を聞き、私の心の中には何か感情が芽生えつつあった。その時をきっかけに私は生涯彼女の友人であろうと決めたのだった。